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血管が破れ出血し脳を圧迫するのが、くも膜下出血です。
くも膜下出血の原因の最も多いのは、脳動脈瘤の破裂で九〇%を占めます。
その他に脳動静脈奇形があげられます。
脳動脈瘤は生まれつき血管壁に弱い部分があり、その弱い部分が血圧などの影響を受けて風船玉のように膨らんでできるわけです。
そして、そこが血流によって内側から受ける圧力に耐えきれず、出血を起こしてしまうわけです。
四十〜五十歳代の人に起こりやすく、突然、激しい頭痛を訴えて倒れてしまいます。
吐き気や嘔吐を伴うこともあります。
くも膜下出血の原因となるものに、脳動静脈奇形からの出血があります。
これは生まれつきの奇形で、動脈の血液が直接静脈へ流れてしまうため、静脈が突然破れてしまうわけです。
発症は二十歳代に多くみられます。
二十歳代で突然てんかん発作や頭痛が起こったときには、脳動静脈奇形の可能性がありますから、専門医の診察を受けることです。
脳梗室は脳血栓と脳塞栓の二つに分けられます。
脳血栓は、脳に栄養を送っている動脈が硬くなって、血管の内側が狭くなり、その狭くなった血管の壁に血小版やフィブリンという物質を含む血液の固まりがついて、ついに血管が詰まってしまうことによって発病します。
脳梗塞の発症は、突然あるいは徐々に手足の片側に麻痺が起こる、呂律がまわらなくなる、まっすぐ歩けない、ぼんやりするなどの症状が現れます。
なかには本格的な発作の前に、一過性脳虚血といい、一過性に脳の血流が少なくなり、急に呂律がまわらなくなる、急に言葉が出なくなる、片側の手足がしびれる、力が無くなるなどの症状が現れ、長くても二十四時間以内に消えてしまいます。
これは脳梗室の前ぶれの重大なサインですので、見逃さないようにすることが大切です。
脳塞栓は体のほかの場所から流れてきた血栓によって、脳の血管が突然に詰まってしまうものです。
その原因となる血栓のできる場所は心臓です。
心臓分膜症や心房細動などの心臓病があると、心臓内の血流が悪くなり血液が固まり血栓ができ、これが脳に流れていき、血管を詰まらせてしまうのです。
また頸の動脈に動脈硬化があると血栓ができ、これが

 

 

 

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